tutorial-core-validators.md 30 KB
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コアバリデータ
==============

Yii は、一般的に使われる一連のコアバリデータを提供しています。
コアバリデータは、主として、`yii\validators` 名前空間の下にあります。
長ったらしいバリデータクラス名を使う代りに、*エイリアス* を使って使用するコアバリデータを指定することが出来ます。
例えば、[[yii\validators\RequiredValidator]] クラスを参照するのに `required` というエイリアスを使うことが出来ます。

```php
public function rules()
{
    return [
        [['email', 'password'], 'required'],
    ];
}
```

[[yii\validators\Validator::builtInValidators]] プロパティがサポートされている全てのコアバリデータのエイリアスを宣言しています。

以下では、全てのコアバリデータについて、主な使用方法とプロパティを説明します。


## [[yii\validators\BooleanValidator|boolean]] <a name="boolean"></a>

```php
[
27
    // データ型にかかわらず、"selected" が 0 または 1 であるかどうかチェック
28 29
    ['selected', 'boolean'],

30
    // "deleted" が boolean 型であり、true または false であるかどうかチェック
31 32 33 34
    ['deleted', 'boolean', 'trueValue' => true, 'falseValue' => false, 'strict' => true],
]
```

35
このバリデータは、入力値が真偽値であるかどうかをチェックします。
36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52

- `trueValue`: *true* を表す値。デフォルト値は `'1'`
- `falseValue`: *false* を表す値。デフォルト値は `'0'`
- `strict`: 入力値の型が `trueValue``falseValue` の型と一致しなければならないかどうか。デフォルト値は `false`


> Note|注意: HTML フォームで送信されたデータ入力値は全て文字列であるため、通常は、[[yii\validators\BooleanValidator::strict|strict]] プロパティは false のままにすべきです。


## [[yii\captcha\CaptchaValidator|captcha]] <a name="captcha"></a>

```php
[
    ['verificationCode', 'captcha'],
]
```

53
このバリデータは、通常、[[yii\captcha\CaptchaAction]] および [[yii\captcha\Captcha]] と一緒に使われ、入力値が [[yii\captcha\Captcha|CAPTCHA]] ウィジェットによって表示された検証コードと同じであることを確認します。
54 55 56 57 58 59 60 61 62 63

- `caseSensitive`: 検証コードの比較で大文字と小文字を区別するかどうか。デフォルト値は false。
- `captchaAction`: CAPTCHA 画像を表示する [[yii\captcha\CaptchaAction|CAPTCHA action]] に対応する [ルート](structure-controllers.md#routes)。デフォルト値は `'site/captcha'`
- `skipOnEmpty`: 入力値が空のときに検証をスキップできるかどうか。デフォルト値は false で、入力が必須であることを意味します。
  

## [[yii\validators\CompareValidator|compare]] <a name="compare"></a>

```php
[
64
    // "password" 属性の値が "password_repeat" 属性の値と同じであるかどうか検証する
65 66
    ['password', 'compare'],

67
    // "age" が 30 以上であるかどうか検証する
68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98
    ['age', 'compare', 'compareValue' => 30, 'operator' => '>='],
]
```

このバリデータは指定された入力値を他の値と比較し、両者の関係が `operator` プロパティで指定されたものであることを確認します。

- `compareAttribute`: その値が比較対象となる属性の名前。
  このバリデータが属性を検証するのに使用されるとき、このプロパティのデフォルト値はその属性の名前に接尾辞 `_repeat` を付けた名前になります。
  例えば、検証される属性が `password` であれば、このプロパティのデフォルト値は `password_repeat` となります。
- `compareValue`: 入力値が比較される定数値。
  このプロパティと `compareAttribute` の両方が指定された場合は、このプロパティが優先されます。
- `operator`: 比較演算子。デフォルト値は `==` で、入力値が `compareAttribute` の値または `compareValue` と等しいことを検証することを意味します。
  次の演算子がサポートされています。
     * `==`: 二つの値が等しいことを検証。厳密でない比較を行う。
     * `===`: 二つの値が等しいことを検証。厳密な比較を行う。
     * `!=`: 二つの値が等しくないことを検証。厳密でない比較を行う。
     * `!==`: 二つの値が等しくないことを検証。厳密な比較を行う。
     * `>`: 検証される値が比較される値よりも大きいことを検証する。
     * `>=`: 検証される値が比較される値よりも大きいか等しいことを検証する。
     * `<`: 検証される値が比較される値よりも小さいことを検証する。
     * `<=`: 検証される値が比較される値よりも小さいか等しいことを検証する。


## [[yii\validators\DateValidator|date]] <a name="date"></a>

```php
[
    [['from_date', 'to_date'], 'date'],
]
```

99
このバリデータは、入力値が正しい書式の date、time、または datetime であるかどうかをチェックします。
100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146
オプションとして、入力値を UNIX タイムスタンプに変換して、[[yii\validators\DateValidator::timestampAttribute|timestampAttribute]] によって指定された属性に保存することも出来ます。

- `format`: 検証される値が従っているべき日付・時刻の書式。
  これには [ICU manual](http://userguide.icu-project.org/formatparse/datetime#TOC-Date-Time-Format-Syntax) で記述されている日付・時刻のパターンを使うことが出来ます。
  あるいは、PHP の `Datetime` クラスによって認識される書式に接頭辞 `php:` を付けた文字列でも構いません。
  サポートされている書式については、<http://php.net/manual/ja/datetime.createfromformat.php> を参照してください。
  このプロパティが設定されていないときは、`Yii::$app->formatter->dateFormat` の値を取ります。
- `timestampAttribute`: このバリデータが入力された日付・時刻から変換した UNIX タイムスタンプを代入することが出来る属性の名前。

入力が必須でない場合には、date バリデータに加えて、default バリデータ (フィルタ) を追加すれば、空の入力値が `NULL` として保存されることを保証することが出来ます。
そうしないと、データベースに `0000-00-00` という日付が保存されたり、デートピッカーの入力フィールドが `1970-01-01` になったりしてしまいます。

```php
[['from_date', 'to_date'], 'default', 'value' => null],
```

## [[yii\validators\DefaultValueValidator|default]] <a name="default"></a>

```php
[
    // 空のときは "age" を null にする
    ['age', 'default', 'value' => null],

    // 空のときは "country" を "USA" にする
    ['country', 'default', 'value' => 'USA'],

    // 空のときは "from" と "to" に今日から三日後・六日後の日付にする
    [['from', 'to'], 'default', 'value' => function ($model, $attribute) {
        return date('Y-m-d', strtotime($attribute === 'to' ? '+3 days' : '+6 days'));
    }],
]
```

このバリデータはデータを検証しません。
その代りに、検証される属性が空のときに、その属性にデフォルト値を割り当てます。

- `value`: デフォルト値、または、デフォルト値を返す PHP コーラブル。
  検証される属性が空のときにこのデフォルト値が割り当てられます。
  PHP コーラブルのシグニチャは、次のものでなければなりません。

```php
function foo($model, $attribute) {
    // ... $value を計算 ...
    return $value;
}
```

147
> Info|情報: 値が空であるか否かを決定する方法については、独立したトピックとして、[空の入力値を扱う](input-validation.md#handling-empty-inputs) の節でカバーされています。
148 149 150 151 152 153


## [[yii\validators\NumberValidator|double]] <a name="double"></a>

```php
[
154
    // "salary" が実数であるかどうかチェック
155 156 157 158
    ['salary', 'double'],
]
```

159
このバリデータは、入力値が実数値であるかどうかをチェックします。
160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
[number](#number) バリデータと等価です。

- `max`: 上限値 (その値を含む)。
  設定されていない場合は、バリデータが上限値をチェックしないことを意味します。
- `min`: 下限値 (その値を含む)。
  設定されていない場合は、バリデータが下限値をチェックしないことを意味します。


## [[yii\validators\EmailValidator|email]] <a name="email"></a>

```php
[
172
    // "email" が有効なメールアドレスであるかどうかチェック
173 174 175 176
    ['email', 'email'],
]
```

177
このバリデータは、入力値が有効なメールアドレスであるかどうかをチェックします。
178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215

- `allowName`: メールアドレスに表示名を許容するか否か (例えば、`John Smith <john.smith@example.com>`)。デフォルト値は false。
- `checkDNS`: メールのドメインが存在して A または MX レコードを持っているかどうかをチェックするか否か。
  このチェックは、メールアドレスが実際には有効なものでも、一時的な DNS の問題によって失敗する場合があることに注意してください。
  デフォルト値は false。
- `enableIDN`: 検証のプロセスが IDN (国際化ドメイン名) を考慮に入れるか否か。
  デフォルト値は false。
  IDN のバリデーションを使用するためには、`intl` PHP 拡張をインストールして有効化する必要があることに注意してください。そうしないと、例外が投げられます。


## [[yii\validators\ExistValidator|exist]] <a name="exist"></a>

```php
[
    // a1 の値が属性 "a1" で表されるカラムに存在する必要がある
    ['a1', 'exist'],

    // a1 の値が属性 "a2" で表されるカラムに存在する必要がある
    ['a1', 'exist', 'targetAttribute' => 'a2'],

    // a1 の値が "a1" のカラム、a2 の値が "a2" のカラムに存在する必要がある
    // 両者はともにエラーメッセージを受け取る
    [['a1', 'a2'], 'exist', 'targetAttribute' => ['a1', 'a2']],

    // a1 の値が "a1" のカラム、a2 の値が "a2" のカラムに存在する必要がある
    // a1 のみがエラーメッセージを受け取る
    ['a1', 'exist', 'targetAttribute' => ['a1', 'a2']],

    // a2 の値が "a2" のカラム、a1 の値が "a3" のカラムに存在する必要がある
    // a1 がエラーメッセージを受け取る
    ['a1', 'exist', 'targetAttribute' => ['a2', 'a1' => 'a3']],

    // a1 の値が "a1" のカラムに存在する必要がある
    // a1 が配列である場合は、その全ての要素が "a1" のカラムに存在する必要がある
    ['a1', 'exist', 'allowArray' => true],
]
```

216
このバリデータは、入力値がテーブルのカラムに存在するかどうかをチェックします。
217
[アクティブレコード](db-active-record.md) モデルの属性に対してのみ働きます。
218
一つのカラムに対するバリデーションか、複数のカラムに対するバリデーションか、どちらかをサポートします。
219 220 221

- `targetClass`: 検証される入力値を探すために使用される [アクティブレコード](db-active-record.md) クラスの名前。
  設定されていない場合は、現在検証されているモデルのクラスが使用されます。
222
- `targetAttribute`: `targetClass` において、入力値の存在を検証するために使用される属性の名前。
223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242
  設定されていない場合は、現在検証されている属性の名前が使用されます。
  複数のカラムの存在を同時に検証するために配列を使うことが出来ます。
  配列の値は存在を検証するのに使用される属性であり、配列のキーはその値が検証される属性です。
  キーと値が同じ場合は、値だけを指定することが出来ます。
- `filter`: 入力値の存在をチェックするのに使用される DB クエリに適用される追加のフィルタ。
  これには、文字列、または、追加のクエリ条件を表現する配列を使うことが出来ます
  (クエリ条件の書式については、[[yii\db\Query::where()]] を参照してください)。
  または、`function ($query)` というシグニチャを持つ無名関数でも構いません。
  `$query` は関数の中で修正できる [[yii\db\Query|Query]] オブジェクトです。
- `allowArray`: 入力値が配列であることを許容するか否か。
  デフォルト値は false。
  このプロパティが true で入力値が配列であった場合は、配列の全ての要素がターゲットのカラムに存在しなければなりません。
  `targetAttribute` を配列で指定して複数のカラムに対して検証しようとしている場合は、このプロパティを true に設定することが出来ないことに注意してください。


## [[yii\validators\FileValidator|file]] <a name="file"></a>

```php
[
    // "primaryImage" が PNG、JPG、または GIF 形式のアップロードされた
243
    // 画像ファイルであり、ファイルサイズが 1MB 以下であるかどうかチェック
244 245 246 247
    ['primaryImage', 'file', 'extensions' => ['png', 'jpg', 'gif'], 'maxSize' => 1024*1024*1024],
]
```

248
このバリデータは、入力値がアップロードされた有効なファイルであるかどうかをチェックします。
249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270

- `extensions`: アップロードを許可されるファイル名拡張子のリスト。
  リストは、配列、または、空白かカンマで区切られたファイル名拡張子からなる文字列 (例えば、"gif, jpg") で指定することが出来ます。
  拡張子名は大文字と小文字を区別しません。
  デフォルト値は null であり、すべてのファイル名拡張子が許可されることを意味します。
- `mimeTypes`: アップロードを許可されるファイルの MIME タイプのリスト。
  リストは、配列、または、空白かカンマで区切られたファイルの MIME タイプからなる文字列 (例えば、"image/jpeg, image/png") で指定することが出来ます。
  MIME タイプ名は大文字と小文字を区別しません。
  デフォルト値は null であり、すべての MIME タイプが許可されることを意味します。
- `minSize`: アップロードされるファイルに要求される最小限のバイト数。
  デフォルト値は null であり、下限値が無いことを意味します。
- `maxSize`: アップロードされるファイルに許可される最大限のバイト数。
  デフォルト値は null であり、上限値が無いことを意味します。
- `maxFiles`: 指定された属性が保持しうる最大限のファイル数。
  デフォルト値は 1 であり、入力値がアップロードされた一つだけのファイルでなければならないことを意味します。
  この値が 2 以上である場合は、入力値は最大で `maxFiles` 数のアップロードされたファイルからなる配列でなければなりません。
- `checkExtensionByMimeType`: ファイルの MIME タイプでファイル拡張子をチェックするか否か。
  MIME タイプのチェックから導かれる拡張子がアップロードされたファイルの拡張子と違う場合に、そのファイルは無効であると見なされます。
  デフォルト値は true であり、そのようなチェックが行われることを意味します。

`FileValidator`[[yii\web\UploadedFile]] と一緒に使用されます。
ファイルのアップロードおよびアップロードされたファイルのバリデーションの実行に関する完全な説明は、[ファイルをアップロードする](input-file-upload.md) の節を参照してください。
271 272 273 274 275 276


## [[yii\validators\FilterValidator|filter]] <a name="filter"></a>

```php
[
277
    // "username" と "email" の入力値をトリムする
278 279
    [['username', 'email'], 'filter', 'filter' => 'trim', 'skipOnArray' => true],

280
    // "phone" の入力値を正規化する
281
    ['phone', 'filter', 'filter' => function ($value) {
282
        // 電話番号の入力値をここで正規化する
283 284 285 286 287
        return $value;
    }],
]
```

288 289
このバリデータはデータを検証しません。
代りに、入力値にフィルタを適用して、それを検証される属性に書き戻します。
290

291 292 293 294 295 296 297 298
- `filter`: フィルタを定義する PHP コールバック。
  これには、グローバル関数の名前、無名関数などを指定することが出来ます。
  関数のシグニチャは ``function ($value) { return $newValue; }` でなければなりません。
  このプロパティは必須項目です。
- `skipOnArray`: 入力値が配列である場合にフィルタをスキップするか否か。
  デフォルト値は false。
  フィルタが配列の入力を処理できない場合は、このプロパティを true に設定しなければなりません。
  そうしないと、何らかの PHP エラーが生じ得ます。
299

300
> Tip|ヒント: 入力値をトリムしたい場合は、[trim](#trim) バリデータを直接使うことが出来ます。
301

302 303
> Tip|ヒント: `filter` のコールバックに期待されるシグニチャを持つ PHP 関数が多数存在します。
> 例えば、型キャストを適用して (例えば、[intval](http://php.net/manual/ja/function.intval.php) や [boolval](http://php.net/manual/ja/function.boolval.php) などを使って) 属性が特定の型になるように保証したい場合は、それらの関数をクロージャで包む必要はなく、単にフィルタの関数名を指定するだけで十分です。
304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314
>
> ```php
> ['property', 'filter', 'filter' => 'boolval'],
> ['property', 'filter', 'filter' => 'intval'],
> ```


## [[yii\validators\ImageValidator|image]] <a name="image"></a>

```php
[
315
    // "primaryImage" が適切なサイズの有効な画像であることを検証
316 317 318 319 320 321 322
    ['primaryImage', 'image', 'extensions' => 'png, jpg',
        'minWidth' => 100, 'maxWidth' => 1000,
        'minHeight' => 100, 'maxHeight' => 1000,
    ],
]
```

323 324 325
このバリデータは、入力値が有効な画像ファイルであるかどうかをチェックします。
これは [file](#file) バリデータを拡張するものであり、従って、そのプロパティの全てを継承しています。
それに加えて、画像の検証の目的に特化した次のプロパティをサポートしています。
326

327 328 329 330
- `minWidth`: 画像の幅の最小値。デフォルト値は null であり、下限値がないことを意味します。
- `maxWidth`: 画像の幅の最大値。デフォルト値は null であり、上限値がないことを意味します。
- `minHeight`: 画像の高さの最小値。デフォルト値は null であり、下限値がないことを意味します。
- `maxHeight`: 画像の高さの最大値。デフォルト値は null であり、上限値がないことを意味します。
331 332 333 334 335 336


## [[yii\validators\RangeValidator|in]] <a name="in"></a>

```php
[
337
    // "level" が 1, 2 または 3 であるかどうかチェック
338 339 340 341
    ['level', 'in', 'range' => [1, 2, 3]],
]
```

342
このバリデータは、入力値が所与の値のリストにあるかどうかをチェックします。
343

344 345 346 347 348 349 350
- `range`: 与えられた値のリスト。この中に、入力値がなければならない。
- `strict`: 入力値と所与の値の比較が厳密でなければならない (型と値の両方が同じでなければならない) かどうか。
  デフォルト値は false。
- `not`: 検証結果を反転すべきか否か。デフォルト値は false。
  このプロパティが true に設定されているときは、入力値が所与の値のリストにない場合に検証が成功したとされます。
- `allowArray`: 入力値が配列であることを許可するかどうか。
  このプロパティが true であるときに、入力値が配列である場合は、配列の全ての要素が所与の値のリストにある必要があり、そうでなければ検証は失敗します。
351 352 353 354 355 356


## [[yii\validators\NumberValidator|integer]] <a name="integer"></a>

```php
[
357
    // "age" が整数であるかどうかチェック
358 359 360 361
    ['age', 'integer'],
]
```

362
このバリデータは入力値が整数であるかどうかをチェックします。
363

364 365
- `max`: 上限値 (その値を含む)。設定されていないときは、バリデータは上限をチェックしません。
- `min`: 下限値 (その値を含む)。設定されていないときは、バリデータは下限をチェックしません。
366 367 368 369 370 371


## [[yii\validators\RegularExpressionValidator|match]] <a name="match"></a>

```php
[
372
    // "username" が英字から始まり、英字、数字、アンダーバーだけで構成されているかどうかチェック
373 374 375 376
    ['username', 'match', 'pattern' => '/^[a-z]\w*$/i']
]
```

377
このバリデータは、入力値が指定された正規表現に一致するかどうかをチェックします。
378

379 380 381 382
- `pattern`: 入寮値が一致すべき正規表現。このプロパティを設定することは必須です。そうしないと、例外が投げられます。
- `not`: 検証結果を反転すべきかどうか。
  デフォルト値は false で、入力値がパターンに一致したときにだけ検証が成功することを意味します。
  このプロパティが true に設定されているときは、入力値がパターンに一致しない場合にだけ検証が成功したと見なされます。
383 384 385 386 387 388


## [[yii\validators\NumberValidator|number]] <a name="number"></a>

```php
[
389
    // "salary" が数値であるかどうかチェック
390 391 392 393
    ['salary', 'number'],
]
```

394
このバリデータは、入力値が数値であるかどうかをチェックします。[double](#double) バリデータと等価です。
395

396 397
- `max`: 上限値 (その値を含む)。設定されていないときは、バリデータは上限をチェックしません。
- `min`: 下限値 (その値を含む)。設定されていないときは、バリデータは下限をチェックしません。
398 399 400 401 402 403


## [[yii\validators\RequiredValidator|required]] <a name="required"></a>

```php
[
404
    // "username" と "password" がともに空ではないことをチェックする
405 406 407 408
    [['username', 'password'], 'required'],
]
```

409
このバリデータは、入力値が提供されており、空ではないことをチェックします。
410

411 412 413 414 415 416
- `requiredValue`: 入力値として要求される値。
  このプロパティが設定されていない場合は、入力値が空ではいけないことを意味します。
- `strict`: 値を検証するときに、データ型をチェックするかどうか。デフォルト値は false。
  `requiredValue` が設定されていない場合、このプロパティが true であるときは、バリデータは入力値が厳密な意味で null であるかどうかをチェックします。
  一方、このプロパティが false であるときは、値が空か否かの判断に緩い規則を使います。
  `requiredValue` が設定されている場合、このプロパティが true であるときは、入力値と `requiredValue` を比較するときに型のチェックを行います。
417

418
> Info|情報: 値が空であるか否かを決定する方法については、独立したトピックとして、[空の入力値を扱う](input-validation.md#handling-empty-inputs) の節でカバーされています。
419 420 421 422 423 424


## [[yii\validators\SafeValidator|safe]] <a name="safe"></a>

```php
[
425
    // "description" を安全な属性としてマーク
426 427 428 429
    ['description', 'safe'],
]
```

430 431
このバリデータは検証を実行しません。
その代りに、このバリデータは、属性を [安全な属性](structure-models.md#safe-attributes) としてマークするために使われます。
432 433 434 435 436 437


## [[yii\validators\StringValidator|string]] <a name="string"></a>

```php
[
438
    // "username" が、長さが 4 以上 24 以下の文字列であるかどうかチェック
439 440 441 442
    ['username', 'string', 'length' => [4, 24]],
]
```

443
このバリデータは、入力値が一定の長さを持つ有効な文字列であるかどうかをチェックします。
444

445 446 447 448 449 450 451 452
- `length`: 検証される入力文字列の長さの制限を指定します。
  これは、次のいずれかの形式で指定することが出来ます。
     * 一つの整数: 文字列がちょうどその長さでなければならない、その長さ。
     * 一つの要素を持つ配列: 入力文字列の長さの最小値 (例えば、`[8]`)。これは `min` を上書きします。
     * 二つの要素を持つ配列: 入力文字列の長さの最小値と最大値 (例えば、`[8, 128]`)。これは `min` と `max` の両方を上書きします。
- `min`: 入力文字列の長さの最小値。設定されていない時は、長さの下限値がないことを意味します。
- `max`: 入力文字列の長さの最大値。設定されていない時は、長さの上限値がないことを意味します。
- `encoding`: 検証される入力文字列の文字エンコーディング。設定されていない時は、アプリケーションの [[yii\base\Application::charset|charset]] の値が使われ、デフォルトでは `UTF-8` となります。
453 454 455 456 457 458


## [[yii\validators\FilterValidator|trim]] <a name="trim"></a>

```php
[
459
    // "username" と "email" の前後にあるホワイトスペースをトリムする
460 461 462 463
    [['username', 'email'], 'trim'],
]
```

464 465 466
このバリデータはデータの検証を実行しません。
その代りに、入力値の前後にあるホワイトスペースをトリムします。
入力値が配列であるときは、このバリデータによって無視されることに注意してください。
467 468 469 470 471 472


## [[yii\validators\UniqueValidator|unique]] <a name="unique"></a>

```php
[
473
    // a1 の値が属性 "a1" で表されるカラムにおいてユニークである必要がある
474 475
    ['a1', 'unique'],

476
    // a1 の値が属性 "a2" で表されるカラムにおいてユニークである必要がある
477 478
    ['a1', 'unique', 'targetAttribute' => 'a2'],

479 480
    // a1 の値が "a1" のカラム、a2 の値が "a2" のカラムにおいてユニークである必要がある
    // 両者はともにエラーメッセージを受け取る
481 482
    [['a1', 'a2'], 'unique', 'targetAttribute' => ['a1', 'a2']],

483 484
    // a1 の値が "a1" のカラム、a2 の値が "a2" のカラムにおいてユニークである必要がある
    // a1 のみがエラーメッセージを受け取る
485 486
    ['a1', 'unique', 'targetAttribute' => ['a1', 'a2']],

487 488
    // a2 の値が "a2" のカラム、a1 の値が "a3" のカラムにおいてユニークである必要がある
    // a1 がエラーメッセージを受け取る
489 490 491 492
    ['a1', 'unique', 'targetAttribute' => ['a2', 'a1' => 'a3']],
]
```

493 494 495
このバリデータは、入力値がテーブルのカラムにおいてユニークであるかどうかをチェックします。
[アクティブレコード](db-active-record.md) モデルの属性に対してのみ働きます。
一つのカラムに対するバリデーションか、複数のカラムに対するバリデーションか、どちらかをサポートします。
496

497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508
- `targetClass`: 検証される入力値を探すために使用される [アクティブレコード](db-active-record.md) クラスの名前。
  設定されていない場合は、現在検証されているモデルのクラスが使用されます。
- `targetAttribute`: `targetClass` において、入力値がユニークであることを検証するために使用される属性の名前。
  設定されていない場合は、現在検証されている属性の名前が使用されます。
  複数のカラムのユニーク性を同時に検証するために配列を使うことが出来ます。
  配列の値はユニーク性を検証するのに使用される属性であり、配列のキーはその値が検証される属性です。
  キーと値が同じ場合は、値だけを指定することが出来ます。
- `filter`: 入力値のユニーク性をチェックするのに使用される DB クエリに適用される追加のフィルタ。
  これには、文字列、または、追加のクエリ条件を表現する配列を使うことが出来ます
  (クエリ条件の書式については、[[yii\db\Query::where()]] を参照してください)。
  または、`function ($query)` というシグニチャを持つ無名関数でも構いません。
  `$query` は関数の中で修正できる [[yii\db\Query|Query]] オブジェクトです。
509 510 511 512 513 514


## [[yii\validators\UrlValidator|url]] <a name="url"></a>

```php
[
515 516
    // "website" が有効な URL であるかどうかをチェック。
    // URI スキームを持たない場合は、"website" 属性に "http://" を前置する
517 518 519 520
    ['website', 'url', 'defaultScheme' => 'http'],
]
```

521
このバリデータは、入力値が有効な URL であるかどうかをチェックします。
522

523 524 525 526 527 528 529 530
- `validSchemes`: 有効と見なされるべき URI スキームを指定する配列。
  デフォルト値は  `['http', 'https']` であり、`http` と `https` の URL がともに有効と見なされることを意味します。
- `defaultScheme`: 入力値がスキームの部分を持たないときに前置されるデフォルトの URI スキーム。
  デフォルト値は null であり、入力値を修正しないことを意味します。
- `enableIDN`: バリデータが IDN (国際化ドメイン名) を考慮すべきか否か。
  デフォルト値は false。
  IDN のバリデーションを使用するためには、`intl` PHP 拡張をインストールして有効化する必要があることに注意してください。
  そうしないと、例外が投げられます。
531